第6章 第三夜
「でも水城さんのおかげです!」
「奏がいると仕事が早く片付くよなー」
圭斗が頭の後ろに手を組みながら言う
華澄たちも圭斗の言葉に、うんうんと頷く
「あはは…そりゃどーも」
苦笑いする奏
「とりあえず洸さんたちに報告しに行くか」
「そうだね。咲哉くんも行くでしょ?」
「はい!」
二人同時に返事する
「……」
「奏?」
奏の様子に圭斗が話し掛ける
「……あとから行くから先に行ってて」
「…?あぁ、わかった」
四人は先にMEEOの本部へと向かう
「出て来なよ」
「見つかったか…」
奏が一本の木のほうに声を掛ける
木の陰から出てきたのは蓮斗だ
「…なにしてんのよ」
「仕事に決まってんじゃん」
「こんな人がたくさんのいるところで?」
「まぁな」
奏は蓮斗が何を言いたいかなんとなくわかったらしい
「とりあえずボクたちも本部に行こうか。洸さんとマナさんに報告があるし」
「わかったわ。でも、いまは咲哉くんたちが居るけど」
「みんなが帰ったあとで大丈夫だよ」
「そう」