第5章 第二夜
「魔法使いと能力者よ」
「え…」
「んじゃ…オレたちは…」
「下手したら狙われてたってことね。だけど、あの時あたしが助けなければ…の話だけど」
「……」
一瞬二人は背中にゾクリと冷たいものを感じたような気がしたのた
あの時、奏が助けなければ今頃自分たちは…と
「いまは、奴らは動いてないから安心しな」
「え…」
「あの時の男たちがまだ奴らとは考えにくいからよ」
「あぁ…」
悠太は今の話を聞いて思い出したのだ
あの日、学校から家に帰る途中に会った黒いスーツを着た三人の男たち
たまたまにしてた偶然過ぎるところがあったのだ
「じゃあ…あの日会った黒いスーツを着た男たちは…」
「確かに篠原くんもあの日は危なかったかもね」
「やっぱりか…」
(こいつには感謝しなきゃな…)
「話がだんだん逸れてきたわね…」
「わりぃ…」
「いいのよ。話を戻すわね」
ここから奏は10年前のあの出来事を話すのだった
自分が奴らに捕まって実験のデータを取らせるために巻き込まれたこと
そしてその時に夕紀と出会い、その事件がきっかけでこのMEEOを立ち上げて創立者になったこと