第5章 第二夜
「確か、能力面アップさせるために開発を任された優秀な研究グループだろ?」
「篠原くん、知ってたの?」
「小さい時にテレビで、その研究成果が好評ってことで何度か賞取ってのを覚えてる」
「そういや、小学生ん時の先生がやたら喋ってたな」
「……」
「…そんなこと良く覚えてるね二人とも」
奏と華澄は二人の記憶力に多少驚きつつも呆れてる様子だった
「まぁ、いいや。んで、その黒羽の奴らはその事件があった五年後に突然姿を消したのよ。研究所も藻抜けの殻らしくて」
「はぁ…?んだ、そりゃ…」
「その“異能者実験”の事件に関与していたのを恐れて姿を消したって噂もあるのよ」
「そのあとどうなったの?」
「黒羽の何人が捕まったけど、まだ数人の行方がわかってないからまだどっかで動いてくる可能性はあるわ」
奏の分かりやすい説明に、なるほどといった感じで納得する
そして、話を戻す
「で、10年前の事件では被害者も出てるのよ、“異能者実験”の事件で」
「被害者?」
「そう。その“実験”の対象にされる人がどんな人たちか知ってる?」
「いや…知らねぇな」
「あたしも」