第5章 第二夜
「このMEEOの正式名称は知ってるよね?」
「“異能者実験撲滅組織”だろ」
圭斗がそう答える
MEEOは正式名称の頭文字を取って出来た組織だ
MEEOのMは異能者、つまりmutant(ミュータント)のM
Eは実験、experimantartion(エクスペリメンターション)と撲滅のexterminatory(エクスターミナトリー)のE
Oは組織、organization(オアガーネイザーション)のOだ
「えぇ。最初から話すと、ここができたのは10年前なの」
「10年前って…ほぼ最近じゃねぇか」
「確かに…。あたしたちが小学生くらいの時よね」
「えぇ、そうよ」
冷静に二人に対応する奏
悠太は手紙で既に知ってるため特に驚いてない
だが、悠太は未だにあの手紙に書いてある真実が信じられないでいた
「あたしたちがまだ小学生くらいにある事件が多発していたのよ」
「事件?」
「えぇ。それが“異能者実験”」
「え…」
「なっ…」
華澄と圭斗は思わず声を上げた
悠太は手紙の内容を思い出しながら聞いていた
「その事件にはある有名な研究所が関わっていたこともわかったのよ」
「有名な研究所?」
「能力開発研究機関の“黒羽”って聞いたことない?」