第5章 第二夜
「……」
悠太を少し煽るように言う
二人は少しばかり睨む感じで見つめた
…が、悠太がフッと笑いながら言った
「お前が説明するって何回も言ってるがもうその必要はなくなったんだ」
「え…?」
「これを見て納得したからな」
悠太は夕紀が書いた手紙を見せる
それだけでは奏たちが納得するわけないことを計算して夕紀の部屋から持って来た一冊の本をテーブルに置いて見せる
「本?」
「母さんが生きてた時に書いてたやつだ」
「……」
奏はなんとなく中身はわかっていた
華澄と圭斗はわからず顔を見合わせる
「なるほど…」
「奏…どういうことなの?」
「オレたちには何がなんだか…」
「そうね。篠原くん、夕紀さんからの手紙全て知ってるならあたしからの説明いらないわよね」
「あぁ。だから二人に説明してやってくれ」
「わかったわ…」
そう言って視線を二人に向ける
「とりあえず話すけど、これを聞いて二人の気持ちが変わるかもしれないけど…いい?」
「あたしは構わないわ」
「オレだって」
「……わかった。なら、話すわ」
華澄と圭斗はそれなりに奏に付いていく覚悟はとっくに出来ていた