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【ヒロアカ】Don't touch me.【轟】

第4章 Dawn



「綿世さん…ごめん!僕が飛び出さなければ君が倒れることはなかったのに…」
「そんな、謝らないで!緑谷くんが先生を助けようとしなかったら、先生がやられてたかもしれないよ!」

だから結果オーライだよ、と笑うと緑谷くんは視線を彷徨わせてからごめんと眉を下げた。その表情は腑に落ちてないんだろうなぁ…と私まで眉を下げてしまう。

短いノックの音と女性の声が響くと、緑谷くんの顔は慌てた表情に変わる。

「あ、えっと検査だよね!長居しちゃってごめんね、目が覚めたばかりなのに!じゃあ、あの、また学校で!」
「うん、また学校でね」
「あっあの!…綿世さん!あ、ありがとう!」

去り際に残した緑谷くんの「ありがとう」が頭の中で反芻する。ヒーローとしての自分に向けられた初めての言葉…嬉しかった。
女性の看護師さんが空になった点滴を外し、脈拍を測るため私の手を取る。

それにしても、緑谷くん、“あ”って何回いうの。思い出して小さく声に出して笑うと看護師さんが素敵なご友人ですね、と微笑んだ。

その後、医師の診察を経て、明日の朝退院できることになった。母に連絡を入れ、兄からのメールに返信する。兄は今海外にいて、とある有名なパティシエの元で修行中だ。メールには目が覚めたら連絡してくれ、とあったから、目が覚めたよと簡素に返した。

暇を持て余して窓の外を眺めていると、ノックの音が聞こえた。また看護師さんかな?短く返事をするとあの人の声がした。



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