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【ヒロアカ】Don't touch me.【轟】

第3章 Declaration



「3対5だ」
「うん、モヤの弱点はかっちゃんが暴いた!」

私達が戦う気で構えるとオールマイト先生がすぐさま制止し、逃げるよう促した。轟くんが納得いかないと言った態度で反論するとオールマイト先生は助かったお礼と共にそれはそれだと言い放つ。私が傷だって相当痛いのではと眉を下げると、いつものマッスルポーズで笑って見せた。

「大丈夫!プロの本気を見ていなさい」

オールマイト先生の大きな背中。私達は心配な気持ちを飲み込もうとした。だが、敵のひとり、手だらけのヴィランがこちらに向かってくる。やはり応戦するしか…!
皆が構えたその時、一段と大きな突風が巻き起こり、手だらけのヴィランが後方に吹き飛ばされた。オールマイト先生が脳無と真正面から拳をぶつけ合った衝撃で物凄い風で吹いたのだ。
待って、立ってられない!
膝をつき、地面を掴むが煽られて仰け反りそうになる。ちょっとでも足を浮かせたら飛ばされてしまう。唸りながら飛ばされないように踏ん張り、耐える。
オールマイト先生のフォローをするとかこれではそんなの不可能だ。それは敵も同じようで離れたところから風圧に耐え、オールマイト先生と脳無の戦う様を眺めるばかりだった。

「先生…血が…」

ぽつりと呟いた声は風に掻き消される。怪我を負い、血を吐きながら脳無を殴り続けるオールマイト先生。押し合い、吹っ飛び、木々をなぎ倒しながらひたすらダメージを与え続ける。

「ヴィランよ、こんな言葉を知ってるか!」

さらに向こうへ─
Plus ultra!!

オールマイト先生の渾身の一撃が脳無の腹にめり込み、刹那爆発したかのように光ったかと思えば、凄い速さで天井を突き破って遥か彼方へと吹っ飛ばした。建物全体がグラグラと大きく揺れる。それほどの衝撃…!

「コミックかよ…ショック吸収を無いことにしちまった」

天井に空いた穴から射し込む陽の光は平和の象徴オールマイトの輝きそのものだった。切島くんは呆然としながら呟いた。
これが、プロの力…トップヒーローの闘いなんだと皆が息を飲んだ。私は、なれるだろうか。土埃の中に佇むオールマイト先生を見つめ、固く拳を握った。


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