第2章 はじめまして
降谷零said
柚鈴「よろしくお願いします。」
緊張した面持ちで挨拶をする財前。
男ばかりの公安部によく配属になったもんだと彼女を見る。
柚鈴「風見さん、この資料出来たので確認していただけますか?」
風見「あぁ、そこに置いておいてくれ」
入社してからすぐ彼女の噂は社内に流れ公安の華と呼ばれるようになった。
仕事もテキパキとこなし真剣に書類と向き合う真面目な顔とは裏腹に褒められることにあまり免疫がないのか周りから褒められると顔を赤くして恥ずかしそうに笑う
どこかふんわりとした雰囲気を醸し出す彼女はいつしか天使と影で呼ばれるようになった。
俺からしたら有能な部下の1人にしか過ぎず公安の降谷零のみならず安室透やバーボンとして日々忙しく過ごしていて警察庁に出入りすることも少ないからきっとそんなに関わることも無いだろう思っていた
降谷「あぁ、分かった。こちらも捜査が進み次第追って連絡する。」
数日ぶりに来た警察庁
コーヒーを飲もうとしたところで電話が鳴る。
柚鈴「降谷さんお疲れ様です。」
手短に終わらせた電話を切ると後ろから声をかけられる。
降谷「財前か。おつかれ。」
柚鈴「お仕事大変そうですね。」
降谷「それはお前もだろ。目の下のクマすごいぞ」
ハッとした顔で目の下に手を伸ばす財前。
降谷「まぁ、風見のせいで休憩できていないのだろう。今やっている案件が終わればお前は一回帰れ。出社は昼過ぎでいいから。」
そう言って椅子から立ち上がりポンっと財前の手にさっき買ったコーヒーを乗せる。
降谷「それまだ飲んでないから」
そう言いながら俺も溜まった報告書を作成するためにオフィスへと向かう。
柚鈴「あ、ありがとうございます。」
後ろからびっくりしながらお礼を言う彼女の声が聞こえる。
風見「降谷さん、この書類の確認お願いします。」
自分のデスクに座ると待ってましたと言わんばかりに風見が山積みになった書類を置いてくる。
一部ずつ目を通していると見やすく綺麗にまとめられた報告書が目に入る。
作成者の欄には財前柚鈴と言う文字。
ガチャリとドアが開いてコーヒーを飲み終えた彼女が戻ってくる。
財前柚鈴か。
ほんの少し彼女に興味が湧いた気がした。