第2章 雄英高校
______
個性把握テスト。寝袋とゼリー飲料の先生______相澤消太はそう言った。
(みんなの前で……)
私は恥ずかしがり屋(と、言われている)だから、みんなに見られながら動くことが苦手なのだ。このテストにおいて個性を使用することが許可されたが、気が乗らなかった。けれどこれは『本気』と書いて『マジ』でやらなければならない。
なぜなら______
「ね、具合悪いん?」
「あ、えっと、大丈夫だよ……」
茶髪の、私より少し髪が短い女の子に話しかけられた。私は噛み噛みで答えてしまった。 悪い印象を持たれていないだろうか。
「私麗日お茶子! 貴女は確か、神宮寺舞依ちゃんだよね!? 推薦の! 爆豪君に絡まれとった! よろしく!」
「うん……! よろしく、麗日さん!」
どうやら名前を覚えられていたようだ。差し出された右手を取って握手を交わす。すると、ブンブンと腕を振りながら、麗日さんは口を開いた。
「お茶子って呼んで? 友達!って感じがして良くない?」
「うっ……お茶子ちゃん……!!」
私もブンブンと腕を振った。久々に友達が出来て凄く嬉しい。しかも可愛い、元気な女の子。
(嬉しい……!)
10秒間くらい手を振り合って、私はお茶子ちゃんと同時に我に返った。
周りでは、ボール投げや握力、50m走でものすごい結果が出ていた。
「にしても酷いよねぇ。 除籍処分なんて……」
「そうだね、個性を駆使して結果を残さなきゃ」