第2章 雄英高校
「あ、これは……」
『私の“個性”だよ』______そう言いかけた瞬間。
「お友達ごっこがしたいなら他所へ行け。 ここは雄英______ましてやヒーロー科だぞ」
と、先程開けっ放しにしてしまっていた扉の外______廊下から、男性の声がした。男性は寝袋に入ってぶっ倒れながらこちらを見つめていて、『ヂュッ!!』と音を立て ゼリー飲料を飲み干した。この人まさか、先生______?
「ハイ静かになるまでに8秒かかりました。 時間は有限。 君たちは合理性に欠くね」
合 理 性 。
こんな言葉を聞くのは中学3年生の秋、クラスメイトだったイキリオタクが何やら語っていた時以来だった。
以来だった______と言う割には、結構最近の話だった。
今のうちだ!と言わんばかりにササッと席に着いた。 不良(仮)も居住まいを正し、眼鏡の男子も一礼してから席に着いた。あら素晴らしい。