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【ヒロアカ】ガーネットの瞳

第4章 途方もない悪意


部屋に入ってきたのは相澤だった。 舞依の姿を確認するや否や口を開く。

「眼さんだが、今日は急用で来られなくなったらしい」

「え……」

唖然とする舞依を見て、オールマイトは『あら……』と声を漏らした。

「っつーわけで神宮寺、お前はもう帰れ。 緑谷達も待ってる 」

「え!?」

先に帰っていほしいてと、確かにそう言っておいた彼らが学校に残っている。 舞依は素早く瞬きを繰り返す。 解せない様子だ。

「あっ……ヤバ! それでは失礼また明日!」

オールマイトが思い出したようにそう言うと、彼はダッシュで部屋から出ていった。物凄い風圧だ。 何かあったのだろうか。
続いて舞依と相澤も退出する。 彼女は相澤に一礼し、教室へと足を向けた。

(聞きそびれちゃったけど、待ってるって多分教室だよね……?)

ガラリ、と扉を開くと、6つの目がこちらを向いた。
「速かったな!」 「舞依ちゃん!」 「ゆっくり話せた?」 と、矢継ぎ早に話す面々。 飯田は指先までぴっしりと伸ばし、走る時のように腕を振りながら言う。 その様子だと、飯田の言う『はやい』は走る方の『速い』だ。

「お母さん、急用で来られなくなったみたい……」

舞依がそう呟くと、彼らは残念そうな顔をした。 皆優しいのだ。 彼女はそれを再認識した。

______

雑談を交わしながら4人2列で歩く。 舞依は麗日の隣だ。 視線を麗日の目から滑らせた時、衝撃的な光景が目に飛び込んできた。木々の生い茂る大きな公園に移動販売車が停まっていて、 その傍に立ててあるのぼりに、確かに『タピオカ』と書いてあった。

「タピ……オカ……!」

舞依はタピオカが大好きだ。 彼女は突然涎を垂らす。

「舞依ちゃん!? どしたん!?」

その様子に麗日は驚いた。






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