第3章 戦闘訓練!
嬉嬉として着替えを終え、舞依は蛙吹,麗日と共にグラウンド・βに集合した。
「格好から入るってのも大切なことだぜ少年少女! 自覚するのだ……今日から自分はヒーローなんだと……!!」
(今日から私はヒーロー!)
舞依は小さくガッツポーズをした。 ドキドキと高鳴る胸の鼓動を感じて、自分が緊張しているのだと知る。
「始めようか有精卵共!!! 戦闘訓練のお時間だ!!!」
分かれ方はくじで決めるらしく、舞依はどきりとした。 上手くコミュニケーションが取れない可能性があるからだ。
「21人だから、1チームだけ3人チームになるぞ! 今回は i チームだな!」
オールマイトは言った。舞依は i チームだったので、オールマイトの言葉に頷いた。
「舞依ちゃんに尾白君だよね? よろしく!」
「ああ。よろしくね葉隠さん、神宮寺さん」
「よろしくね。 葉隠さん、尾白君」
i チームはほんわかしていて舞依はホッとした。 これで爆豪と一緒になってしまったなら、終始顔が青くなったことだろう。
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(すごい……爆豪君も、緑谷君も)
各エリアが映し出される画面を観ながら、舞依は思った。 悪になりきり核を守った飯田,緑谷との連携で核を回収した麗日も勿論だが、爆豪と緑谷の戦闘センスや動きの読み合いに、彼女は激しく心を打たれた。
ヒーローチームが勝ち、ボロボロになった緑谷はハンソーロボで保健室へと送られる。 きっとリカバリーガールが彼の傷を癒すことだろう。
場所を移し、第2戦。
i チームは敵の役割なので、3人で核を守る。
「尾白君、舞依ちゃん……私ちょっと本気出すわ! 手袋もブーツも脱ぐわ!」
「え……」
うおー! と意気込み色々とっぱらった彼女は、小型無線が浮いているだけの状態になった。 倫理的にヤバいその状況に、尾白と舞依は苦笑した。
ヒーローチームの片割れは推薦枠での入学を果たした轟なので、一切油断してはならぬと3人は理解した。
舞依も推薦枠での入学者なので、向こうも同じことを思っているだろう。
「訓練開始!!!!」
オールマイトの合図と共に、舞依はトンファーのようにして鉱物を纏った。