第3章 戦闘訓練!
「わーたーしーがー!! 」
(オールマイト…!?)
「普通にドアから来た!!!」
『HAHAHAHA』と豪快にドアを開けて教室に入ってきたのは、NO.1ヒーローであるオールマイトだ。 まさに筋骨隆々、と言った感じである。
「オールマイト!? すげえ、本当に先生やってるんだな!」
「銀時代のコスチュームだ!」
(本物って画風違うなあ……)
「ヒーロー基礎学! ヒーローの素地を作る為、様々な訓練を行う科目だ! 早速だが今日はコレ!!『戦闘訓練』!!」
「戦闘……!!」
(訓練……!)
オールマイトは『BATTLE』と描かれたカードを掲げ、皆に見せる。 実にヒーローらしい訓練だ。 舞依はワクワクしていた。
「そしてそいつに伴って……こちら!」
ガゴッ、と音を立てて教室の壁から出てきたのは戦闘服だった。
(うおお……コスチューム!!!!!)
舞依は、配られたコスチュームの箱を見た。 少年マンガのようなかっこいいコスチュームに憧れていたが、個性の関係上布面積は少ない方が良い。 泣く泣くその旨を『個性届け』に書いたのを覚えている。 でもやっぱりかっこいいコスチュームが着たいので、『かっこいいのが良いです……よろしくお願いします……。』と控えめに書き連ねた。 こっそり見ていた兄に笑われていたのは、知る由もない。
オールマイトは『 要望に沿っている』と言ったので、きっと望んだようになっているだろう。
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更衣室で舞依はコスチュームを広げた。 その瞬間、彼女の顔は綻んだ。
「……!」
(襟が……立ってる!!)
彼女のコスチュームはやはり布面積が少ない、黒にターコイズグリーンのラインが入ったレオタードだった。しかし短めの襟が立っていて、厨二心をくすぐるようなそのデザインに、舞依は密かにテンションが上がっていた。
(このマントとグローブよ……)
揃いのマントと指出しのグローブを着用すれば、その姿はまるで変態だった。だがかっこいいと思ったのか、彼女は良しとした。 箱にはまだ何か入っていた。ウエストポーチだった。
同じ推薦枠の八百万百もその類のコスチュームだったので、勝手ながら親近感が湧いているようだ。
(よし、戦闘訓練頑張ろう!)
コスチュームひとつでやる気が出る彼女は、実に単純である。