第3章 戦闘訓練!
「白米に落ち着くよね最終的に!」
ここは雄英高校の大食堂。
グッ、と親指を突き立てている彼は、クックヒーローランチラッシュ。 緑谷出久はその姿に恍惚とした表情を浮かべ、ブツブツと何か言っている。 そんな出久が食べているのは好物であるカツ丼。 飯田天哉はカレー、麗日お茶子は和食。 そして神宮寺舞依は『お前って本当に女子?』と聞かれそうなくらい大盛りの牛丼。肉の上にはこれでもか、と言うくらいのチーズが乗せられている。 その隣には、彼女好みの渋すぎる冷たい緑茶。
(美味すぎる……ランチラッシュ最高)
箸を進めながら舞依はそう思った。
いつもの彼女ならスプーンを使って食べるが、友人の前ではそうしなかった。
「大盛りやね舞依ちゃん〜」
「すごい量だね神宮寺さん……」
「うん……何か恥ずかしくなってきた……」
「恥じることはないぞ神宮寺君! 沢山食べて英気を養うんだ!」
「うん……ありがとう」
真面目な顔をして言う飯田に舞依は苦笑した。
緑谷,麗日,飯田とすっかり仲良くなった(殆どは麗日のおかげである)彼女は、こうして3人で昼食を摂っていた。
この雄英では、いつ何が起こるか分からない。『 エネルギーは沢山詰め込んでおくべし』 というのが舞依の考えだった。
「美味しかったぁ〜」
「さすがランチラッシュだね」
昼食を終えて教室に戻ると、蛙吹梅雨がこちらを見ていた。 舞依は友人である彼女と一言二言と言葉を交わしてから自分の席に着く。 舞依の目の前では、耳郎響香が音楽を聴いていた。 若干音が漏れているが、特に気にならなかった。 隣の席では、切島鋭児郎が上鳴電気に『漢』について語っている。 彼は実に熱い性格である。 『硬化』の“個性”は彼にぴったりのものだった。