第2章 三兄第、曇天に立つ
警1Гそっち、行ったぞ!捕まえろ!!」
警2Г逃がすな!!」
警1Гくそっ、速い。」
警2Гおい、止まれ!!」
罪人「監獄なんて行ってたまるか!あそこだけは、絶対・・・!!」
≪ ド ド ド ド ド ≫
罪人「何だ!? 鉄つぶて・・・!?」
空丸「逃がすかよ。」
罪人Гひっ!」
罪人は、驚いて空丸のいる方向とは、逆に走り出す。
しかし、逃げまどう罪人の先には。
別の人間が仁王立ちしていた。
罪人「どけぇええええ!」
天火「お前がな。ここでは俺が掟(ルール)だ。」
鉄扇で殴り飛ばされ、地に倒れた罪人。
『天火兄さん、いいとこ全部もってくのねぇ。
私の出番なかったんだけど~。
あら、この人、大丈夫かしら?
アワふいて、目わしてるけど・・・
う~ん、気絶してるだけみたいね。
はぁ。バカねぇ。逃げ切れるワケないのに。
少しは、手加減してあげたら?』
天火Гあー すまん。手加減って何?
それより、なんで、こんなとこいるんだ?美月。」
そう言いながら、私の方に近づいてくる天火兄さん。
『夕飯の買い物に行く途中、森に寄ったら、追いかけっこしてるのに
遭遇しただけよ。偶然よ?』
天火「追いかけっこって(笑)偶然、こんなところ通らねぇぞ。
いつも行く八百屋とか、店、真逆じゃねぇか!」
『ふふ。バレましたか。なんか騒がしい声がするから
様子を見に来たの。そしたら、宙太郎くんがいたから。
その後を、追いかけたら、ここにたどり着きました。
私も、加勢しようと思ったのに。天火兄さんが、
倒しちゃうから。まったく、面白くなかったわ。』
天火「美月、お前なぁ。頼むから、危ねえことには首を突っ込むな。
じゃないと、お兄さまの、心臓がいくつあっても足りないから、な?」
『はぁい。
でもね、私。自分で言うのもなんだけど、結構、強いと思うのよ。
天火兄さんは、少し過保護すぎるわ。』
天火Г確かに、美月は腕は立つよ。だからって、自分から好んで危ないとこに首をはさむなって、
言ってるんだよ!怪我でもしたら、どうするんだ?傷が残ったりしてみろ。
お前、嫁のもらい手なくなるぞ!?」