第2章 三兄第、曇天に立つ
~明治11年~
幕末が終わり文明開化が幕を開けた。
欧米化が進み、煌びやかな衣装に建物、
近代日本の大きな第一歩である。
廃刀令が出され侍というものがいなくなった世の中で
人々は活気に満ちていた。
しかし、その裏では変わりゆく日本
新政府に不満を持つ者であふれ返っていた。
監獄は囚人で埋まり
脱獄も後を絶たない。
そこで政府は一つの案を立てた。
滋賀県 大津市
琵琶湖の真ん中にそびえる大監獄
“獄 門 処”
重罪犯が集められた檻へ案内するのは
琵琶湖の橋渡し人
曇家の三兄第
人呼んで
『曇 天 三 兄 弟』
ここでは等しく罪人に罰を
曇天に笑いを
愛する人々と兄第
曇の名の下に