第16章 今までの出来事はとても素晴らしい
『やぁドクター…あれ?』
「なんです?人の顔をジロジロと見て」
いつも顔に着けてる謎のやつがない
ある意味素顔?
『そっちの方がカッコいいよドクター』
「ハッハッハ、それはどうも
うさみもドレス似合ってて美しいよ
ただ壁のような胸が目立つがね」
『シバくぞハゲ』
ベストを着ているのか
いつも白衣だから少し驚いたや
普通に似合ってて良いと思う
「うさみ、口を開けなさい」
『え?』
ポイっと口に何かを放り投げられた
驚いて歯をたててしまう
カリッとしていて口の中にジュワッと油が溢れ出る
こ、これは…んまい!
ピリッとした辛さと甘じょっぱさがマッチングしていて美味しい
『おいひぃ~…』
「だろう?私はこの食べ物が好きでね…今日初めて食べたのだが一番美味しいのだよ」
『もう一個ちょーだい!』
ポイッと口の中にまた放り込まれる
なんの食べ物か分からないけど美味しいなぁ…
「ふん、まるで餌付けだな」
『んぐっ、トラッパーじゃん』
ほっぺを引っ張られ危うく口から出そうになる
急いでゴクリと飲んでトラッパーの手を弾く
『もう!何すんのさ』
トラッパーはタキシードを着ていて右肩からいつも刺さってる何かが飛び出ていた
そのお面でタキシードは笑える
「久しぶりじゃないかトラッパー」
「…あぁそうだな」
『そういえばトラッパーは誰と踊るの?』
「ナースだ」
なんだ普通に女性か…
チッ笑い者にしてやろうとしたのに
「お前は…まさかコイツとか?」
「まさかとは失礼な」
『うん、ドクターだよ』
トラッパーはドクターが苦手みたいだ
実験に巻き込まれたのが主な原因だと私は思う
あれは悲惨(カオス)だった…
「そうか…ところで何を食ってたんだ?」
『このよくわからない唐揚げみたいなやつ
めっちゃ美味しいよ!トラッパーも食べる?』
手で摘まんでハイっとつき出す
トラッパーはその手を見てゴクリと唾を飲んだ
そして手を掴んで口元に持っていき…
パクリと 手ごと含んだ