第2章 1
「………!! シャンクス」
シャンクスはルフィとメイカを自分の胸に引き寄せる。
「失せろ」
低く呟くと近海の主を睨むシャンクス。
「……………………!! ……………………!!!」
ルフィは、じわりと目に涙を浮かべる。シャンクスに睨まれた近海の主は恐怖で海に逃げて行った。
「恩にきるよ、ルフィ。マキノさんから全部聞いたぞ」
「ひっく…! えぐ……」
「おれ達のために戦ってくれたんだな。おい泣くな、ルフィは男だろ?ちゃーんとメイカも守れたじゃねーか」
「…だってよ…!!! ………………………………!!!ジャングズ…!!! ………………………………!!! 腕が!!!」
海が血で染まるほど、左腕を近海の主に奪われたシャンクスは、小さく微笑んだ。
「安いもんだ、腕の一本くらい…。無事でよかった」
「……………う………………!! うう…………!!うわあああああああああああ」
シャンクスが航海に連れていってくれない理由。海の過酷さ。己の非力さ。なによりシャンクスという男の偉大さをルフィは知った。そしてこんな男にいつかなりたいと心から思った。
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