第1章 【 オレ×ト×キミ 】
風呂から上がるとバスタオルを手にしカラダを拭く
すると、ふと思ったのだ
(私の服って何処!?)
肝心な下着は新しいパンツだけ
(何か無いのかなぁ…)
色々と考えているとバサッと何かが落ちた音がする
(ん?なにかしら)
拾って広げると、それは大きいサイズのTシャツだった
(クロロのかな?)
Tシャツを鼻に近づけ、すんすんと匂いを嗅いでみる
(シャル?…違うなぁ、クロロの?)
シャルナークの匂いもするし、クロロの匂いもする。
(誰でもいいよね!着ちゃおう)
まぁ、着て怒られたら脱げば良い話だしね
………にしても、大っきいなあ
着て改めて思うTシャツの大きさに驚きつつ
リビングへ向かった
胸の形、くびれ、腰の曲線美
全てが隠れてはいたがTシャツの裾が太ももギリギリ。ソファーに座ると絶対領域が見えるか見えないかのところで終わっていた
しかしは全くと言っていい程、気にしてはいなかった
髪は自然乾燥でいいや!と思いドライヤーは
諦め読んでいた本を開き続きを読む事にした
読み始めて数十分が経った頃、睡魔が優しく夢の世界へ手招きする。自然と瞼が重くなりは首を上下に揺らしていた
(…んー、眠いなぁ…)
ちょっとだけなら、いいよね…
思い重い瞼を閉じた。そこから先の記憶はない
一方、クロロはが風呂から上がると考え事の続きをしていた。
ある女との交渉について
少し前に依頼を受け、内容に目を通すと
“ の力を貸して欲しい ”
“ 詳しい事は会ってから話す ”とあった。
そんな易々との能力を使わせる訳にはいかない。依頼主に能力を公表するとなれば、それは危険も伴う。が弱いわけではない。寧ろ強い
問題はそこじゃなく、もっと深い根底にある
の場合
〈 能力の使用=体力の減少 〉
それは、の生命に関わること
体力が減るだけなら悩む事は何も無い。
疲れなら体を癒したり、1日ずっと寝ていれば回復するだろう
だが、その体力はの生命力からくるものだったら?
俺が一番心配している理由
それは_______