第1章 秘密めいたまま
Jun's view.
カズくんとオレの家に帰ってくる
「お邪魔…します」
「おかえり カズくん」
控え目にそんなこと言うもんだから
ふわっとカズくんを包み込むように
優しく抱きしめる
カズくんを抱きしめると いい匂いがして
「んんっ」
さっきの聞いた 甘い声のせいもあって
耐えきれず カズくんの唇に自分の唇を軽く重ねる
「潤くん もっと…」
「ダメ ご飯食べてからにしよ?」
「潤くん…」
唇に軽く 触れただけなのに
カズくんの甘い声が オレの脳裏から 離れない
いや 離れてくれないんだ
「さっき言ってたハンバーグ 作るから ね?」
「…それなら 少しだけ我慢する」
不満そうなカズくん
だけど ちゃんと食べないと 持たないから
足早にキッチンに向かうオレたち
「カズくんはいいよ 寝て待ってても 疲れたでしょう?」
「俺も手伝う」
「オレが作るからいいのに…」
「2人で作った方が早いでしょ」
ウインクをした カズくんがかわいくて
どうにかなりそうだったけど ぐっと抑える
オレたちは2人で並んで ハンバーグを手際よく作り始めた
その間 会話は途切れることなく ずっと続いていて
「・・・どう?」
「うん 美味しい」
カズくんの喜んだ顔が とても嬉しかった