• テキストサイズ

アンハッピーエンド主義

第1章 情事に至るまでの5つの場面


【EX:愚か者の恋物語】


※※強姦・暴力・流血注意※※




スイッチが切り替わったかのように我に変える。むせ返るような血の匂いが鼻についた。血塗れのシーツに原型をとどめていない布切れが散乱している。その中央に、まるでオカルト儀式の生け贄のように女の裸体が転がっていた。
「……嘘、だろ……」
オレは、なにをやった?記憶を辿ってみるが、まったく思い出せない。
女の手首からまだ血が滴っていることに気付き、拘束を解いてやる。これオレのワイヤーじゃねーか。女の細い手首は真っ赤に染まっていて、手のひらや腕に血の流れた道筋がくっきりと赤く残っていた。傷口からは真新しい血液が滲み出している。
女についた傷はそれだけじゃない。胸に爪痕があり、二の腕には引っ掻き傷があり、脇腹には歯形、太股には刃物で切られたっぽい切り傷、極めつけは足の付け根――性器にもどす黒く変色した血液がこびりついている。多くの傷は血が固まり出しているようで、瘡蓋になりかけている赤い血が白い肌に生々しく浮かんでいた。
「氷雨?」
女の名前を呼んでみる。返事はない。そこでオレは彼女の顔が青白いことにようやく気づいた。慌てて首に手を当てると、脈はあった。死んでない。けど相当憔悴していることは確かだ。ルッスーリアに診せねーと…。
傷だらけの身体に服を着せることは躊躇われたので、バスタオルを何枚か使って簀巻きにしてから抱えあげる。氷雨はその間ぴくりとも動かなかった。真っ白なバスタオルに、血が滲む。オレはあんまり氷雨を揺らさないように気を使いながら、ルッスーリアの部屋まで全力で走った。
/ 22ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp