第1章 情事に至るまでの5つの場面
目的の部屋までたどり着いて、セキュリティパネルに手のひらを当てる。認証しています、の文字が恨めしい。あと、2時間45分。認証しました、と文字が表示されてやっと扉が開いた。
「ベル?」
「……よーやく会えた」
パソコンの前に座っていた氷雨は驚いた顔でオレを見る。1ヶ月ぶりの再会はわりと呆気ない。まあ、いきなり抱きついたりなんなり出来るもんじゃねーよな実際は。しかたない。オレは氷雨に歩み寄ると、そのままの勢いで唇を重ねた。相変わらずやーらかい。氷雨はまだ驚いてるみたいだけど、オレの考えてることなんてたぶんお見通しなんだろう。華奢な腕が首に回されると、許された気がしてどーしようもなく嬉しくなった。唇に食らいつきながら、彼女の身体に手を伸ばす。黒いタイトスカートの留め具はすぐに外れた。けど、問題は白いブラウスのほうだ。身体にピッタリ合わせて作られたかのようなブラウスのボタンは外しにくいことこの上ない。ったく、時間がないってゆーのに。
唇を離すと、真っ黒な瞳と目が合う。夢でも見ているかのように蕩けた瞳は、オレの中の焦燥感を駆り立てた。
「……悪い。今度新しいの買ってやっから」
「え?あっ、」
ブチブチッと糸の切れる音が響いてボタンが飛ぶ。ビリって音も聞こえたということは、ちょっとやりすぎたかもしんない。まあご愛嬌ってことで。ゆるゆるになったブラウスの隙間に手を入れて、氷雨の胸を覆っている下着のホックを外した。もうずっと触りたくて仕方なかった真っ白な柔肌に触れる。やべ、すげーしあわせ。両手で胸の感触を楽しみながら、鎖骨のあたりに顔を埋めて吸い付くとキレイな赤い痕が残った。それを見ると、ぞくぞくする。
「んっ、あっ」
「その声聞くのも久しぶり」
「っ、ベルの、声もッ、久しぶり……ふあ!?」
喘ぎながら名前呼ぶなっての。腰にくるだろ。そんな気持ちを込めて、まだ勃ちきっていない胸の突起を指で摘まむと面白いくらいにビクンッと氷雨の身体が跳ねた。相変わらず感じやすい身体しちゃってまあ。ほんと可愛いやつ。身体のラインをなぞりながら片手を下に移動させて、氷雨が腰を浮かせている間にタイトスカートと下着を一緒に脱がす。