第7章 予想外にも程がある
引き攣った表情で晃くんを見る。
歳的に変なのでは?白蛇さんが小さい頃って晃くんいくつなの?
そう疑問に、半ば焦っていると晃くんは満面な笑みをした。
「僕ですか?こう見えて実は旦那様より年を重ねているんですよ!」
円な瞳をキラキラとさせ言う。
「へえ、そうだったんだ…………ん?」
食器を洗うことに戻ろうとしたが、バッと再び晃くんを見つめ直す。
「えっ!白蛇さんより年上なの?晃くんが?」
「……?そうですよ、このくらいの方が軽くて動きやすくて」
へへへっとはにかむ晃くんは、どこから見ても小中学生。
"このくらい"ということは、真の姿は白蛇さんより見た目年齢も高いのだろうか。姿を想像しようとしたが、そっとやめた。
やめておこう。夢は壊したくない。
お皿を洗い終え、目の端に入った冷蔵庫。
ふわぁぁぁっ!とムンクの叫びよろしく、とんでもない事を思い出してしまった。
(ぷりんっ!!)
猛スピードで冷蔵庫の前に移動し、ゆっくり恐る恐る冷蔵庫の扉を開ける。
昨日プリンを置いたお盆をそっと取り出す。
あっと細い声が後ろから聞こえ、振り向くと晃くん。晃くんも忘れていたのだろう。
昨日の今日だ。大丈夫であることを願った。
プリンのカップを覗いたり、軽くて左右に揺らしてみたが、ぷるぷると波打っていて、見た目的には大丈夫そうだ。
「晃くん、食べて……みる?」
(私も食べるからっ!)
プリンのカップを片手に晃くんをチラ見する。
「うわー!!ぷりんですねっ!食べますっ食べます!」
先程の年齢操作疑惑を塗りつぶす勢いで、可愛い表情を見せる晃くん。スプーンはある?と聞くと、瞬時に用意して見せた晃くんに少し驚いた。