第11章 目覚めたばかりのイケメンドアップは心臓に悪い
私はギョッとした。ここの部屋に来てから白蛇さんの様子がおかしい。おかしいというよりどこか弱々しく感じた。
「はく、だ……さん?」
力が弱められた手から離れ、頬にそっと自身の手を置いた。
「ごめん、見栄を張りすぎていたみたいだ……、をこっちに呼んだのは私なのに……、倒れてから心配で心配で…」
「大丈夫ですよ、白蛇さん。私はちゃんとここにいます」
白蛇さんの大きい手が、頬に置かれた私の手をキュッと握った。
「実は寝ている間暗闇の中を導いてくれたのも白蛇さんなんですよ?白蛇さんの声が聞こえなかったら、まだ目覚めていなかったかもしれません」
白蛇さんの手がふるふると震えている。
「私は何も……毎日が心配で呼んでただけで、目覚められたのはが頑張ったから」
そこで私は少々気に触ってしまった。か弱い白蛇さんは大歓g……ゴホンゴホン、いつも自信に満ちている白蛇さんが見ていられなくなり、もう片方の手も白蛇さんの頬に置き、グッと顔を近づけた。
今までやったことがない行動で、白蛇さんもポカンとしている。
「いいですか白蛇さん、私はあなたのおかげで目を覚ますことが出来たんです。真っ暗で本当に怖かったんですから。いいから早くいつもの白蛇さんに戻ってください!」