第11章 目覚めたばかりのイケメンドアップは心臓に悪い
そう言い終わると私は白蛇さんの鼻へ唇をそっと落とした。時間にしてほんの1秒にも満たなかったが、これが限界だった。
「分かってくれましたか」
白蛇さんは一瞬ぽかんとしていたが、みるみるうちに頬が緩みほにゃりと笑った。また心臓に悪いことをする……
再び首に顔を寄せた。
「……」
なんですか?とそっと答える。
「好き……ずっと好き」
「私も白蛇さんが好きですよ」
私よりも広く大きい背中へ手を回し、ポンポンとあやすように優しくたたく。その間白蛇さんはスリスリと首周りへ顔を擦り付けていた。
数分、数十分経った頃だろうか、白蛇さんの方から規則正しい寝息が聞こえ始めた。
(本当に今日の白蛇さん子供みたい……かわいい)
ふふっと小さく笑うと、背中へと手を回していた腕に少しだけ力を込める。大丈夫です、私はずっとここにいますよと思いながら。
次第に眠気が勝り私も眠りについたのだった。