第11章 目覚めたばかりのイケメンドアップは心臓に悪い
「っ!?」
待て待てまてっ!!
キスで追い込まれ、背中に手を回し畳に寝かされてしまう。
しかし、その最中も舌を絡ませることは止まない。
「んっ、ぷはっ!ち、ちょっと、んんんー!!」
反論しようとしても無駄だった。
「はぁ、可愛いな私の奥さんは……」
唇を離し、愛おしそうに目元を紅くさせ、両手で挟むように頬に指をはわせる白蛇さん。
妙に艶めいた表情に、ゴキュリと唾を飲み込んだ。
(そんな白蛇さんだって色気むんむんですよっ!!)
言葉では言わない。言ったら最後、ますます白蛇さんの行動がエスカレートしてしまう先が見えてしまったから。
床へ仰向けの状態の私の上に、白蛇さんが逃げ道を塞ぐように上へ跨る。
「あ、あのー、お仕事中なのでは?」
ひくひくと頬を引きつらせ聞いた。私も驚かせようと来たから、人のこと言えないが。
「もう少しで終わるから気にしないでいいよ」
「私病み上がりなのですが……」
「じゃあ口付けだけで我慢するから」
じゃあって何ですかっ!?まるで、あわよくば致しちゃおうみたいな事を思っていたんですか!流されませんからね、私っ!
心のどこかで自分に活を入れた。
影が落りて来たかと思うと、再度唇が合わさる。今度は唇を軽く啄むようなキス。チュッ、チュと音だけはまだ可愛いと言えよう、
しかし隙間から出る吐息からは、扇情的なものが含まれているような気がするのは、
私の気のせいだろうか。