第11章 目覚めたばかりのイケメンドアップは心臓に悪い
ざりざりと小粒の小石の道を歩く。
所々に、私の身長の二倍はありそうな松の木が、剪定してあり整っていた。
下には見たことがない、草花が植えられていて見ているだけでも飽きない種類の豊富さで、
楽しくなりあっちに行き、こっちへ行きを繰り返すとあっという間で、長かったであろう中庭の道も、ほんの数歩だけだったのではと勘違いしてしまう。
「あれ……、白蛇さんかな……」
中庭から出た縁側沿いの一室に、障子に隠れた銀白の髪が見えた。
いっちょ、驚かせてやろうかとニヤッと口角を上げる。
そろそろと視界に入らないように、慎重に泥棒にでもなった気持ち(なったことないけど)で一歩一歩距離を縮める。
あともう少しという距離で、ふいっと長い髪をなびかせ白蛇さんはこちらを向いた。
「うひゃあっ!!」
驚かせる側が、対象に驚かせられては意味がないだろうと、頭の中のもう一人が地団駄を踏んでいた。
反射で後ろへ倒れかける。おっとと。
「おや、気づかないフリのほうが良かったかな?」
くすくすと口元に手を当て笑みを見せる。
「……いつから分かっていたんです?」
「が庭を歩いているときからかな……?まあ部屋に居るときから気配は分かっていたけどね」
「白蛇さんは私のストーカーか何かですか?」
思わずジト目を目の前の彼へと向ける。