第11章 目覚めたばかりのイケメンドアップは心臓に悪い
その後は晃くんを慰めるのに大変だった。
決して、天使の涙だ〜なんてそんな下心あってやったわけではない……かもしれない。
益々ポロポロと流れ出る涙が増えたときは、心臓止まったかと錯覚してしまいました。
「ぐすっ、す、すみません。様にこんな醜態を……」
「ううん、気にしなくても大丈夫だよ?ほら、泣かない人の方が逆に心配になるし」
(だからどんどん泣いて)なんて下心なんてありませんとも、ええ!神……白蛇さん?に誓ってもありません……うん。
ーーー
「では私は一度厨房へ戻りますね」
晃くんが膳を持ち、部屋を去ってしまった。手を振り見送る。
戸を開けているため、そのまま新鮮な空気が部屋を満たす。
縁側に出て深呼吸する。肺にいっぱい入る酸素が心地よかった。
空を見上げ目に入った日の光、高さからお昼前だと予想ができる。
「まだお昼にもなってなかったんだ。どうしよう……暇になっちゃった……」
ここの縁側は中庭に面している。っと言っても広すぎるし、入り組んでいるから、こっちの外なのではと来た当初は錯覚してしまった。
本当は安静にしていた方がいいと分かっているんだけど、暇がそれを阻害して中庭へと足を進めた。
ちょうど数歩歩いた縁側沿いに、木製の突っ掛けを見つけ少しの間と決め「借りまーす」と小声で言い足を通す。