第2章 出会い
「レーディ王国…?」
この世界にいれば、誰もが知る有名な国。
お洒落なお店に、お洒落な外観。
同じ大地を踏んでいたはずなのに、まるで世界が変わったような明るさが私を包んだ。
「おう!」
彼の清々しい笑顔は、目に焼きつくほど眩しくて。
その地に降り立つと、より一層彼が大きく見えた。
すると、彼は私の手を握って
「ほら、行くぞ!」
と、私の手を引っ張った。
「い、行くってどこへ……わっ」
よろめきながらも、彼のペースに合わせていく。
お店の人混みを掻き分けて進むと、周りは私達をジッと凝視していた。
いや……大半は、彼に黄色い歓声を浴びせてから私の方を凝視している。
この人の名前なんて知らないけれど、通行人の反応を見て 身分は天と地の差だというのは良く分かった。
何だか、ここにいるのが恥ずかしくなってくる。
私と貴方は、違いすぎる。
「……あ、の」
声を発しようとすると、彼はそれを遮るように言った。
「心配すんな」
振り向いてくれやしない。
微かな声でしかない。
それでも私は、その言葉に安心していたのだった。