第4章 いる
ンダホside___
モトキに、恋奈が来るずっと前。
こんな事を言われた。
〝ンダホは〜……お兄ちゃん的存在っぽい〟
……うん、なんか、そんな気がする。
今になって、ようやくそれが実感できた。
恋奈は、正直奪いたいと思わないし……隣にいるだけで満足っていうか。可愛いなぁ、と思うだけでも満足というか。
多分、それは皆と争うのが嫌いだからだと思う。
モトキやシルク、ぺけはどうか分からないけど、皆本気に争い合う姿は正直見てられない。
でも、恋奈が、隣にいてほしいと思った人と幸せになれるのなら それで満足だ。
とにかく、幸せになってくれればと思う。
俺は、モトキに言われた〝お兄ちゃん的存在〟で良い。
その分、恋奈を支えてあげられるのは俺しかいないと胸を張るけれど。
彼女がどんな道を選んで、どんな結末を誰と迎えるのかは分からない。
それでも、彼女が望む結末を迎えられるのなら、俺はいつだって手助けするし いつもそばにいてあげる。
どうか、彼女が幸せでいられますように。
恋心と無縁な俺も、彼女を支えられますように。
そんな願いを込めて、彼女とシルクの背中を見送った。