第13章 The strategy of conflict
ポートマフィア、本部―――。
「ねぇエリスちゃん。食べ過ぎは体に宜しくないよ!」
「なんで?甘いは正義」
「そ、そうだけど…でも」
「前リンタロウが買ってきたフリル付きのドレス…」
「!」
「着てあげてもいい」
「お代わりいる?」
エリスの言葉に、森は頬をピンクに染めながら先程とは打って変わってお代わりを勧めている。
―――「首領。」
書類を片手に入ってきたのは中也だ。
「現場に向かった奴等に依ると、組合襲撃後、我々より僅かに早く現場に着いた探偵社が配下の異能者及び紅葉の姐さんを連れ帰ったとのことです。おそらくは、捕虜として」
「姑息な連中だねぇ。」
「如何しましょう。我々と雖も五大幹部の一翼を人質に取られては迂闊に手が…」
「よし!探偵社の社長を殺そう!」
「………」
「暗殺が善いな!外部の殺し屋を使えば労力も掛からず、私達は対組合に傾注出来る。それに社長が死んだとあらば、なまえちゃんも此方に戻ってくるかもしれないし!ねえ、エリスちゃん。」
「いいから早くなまえを連れ戻してよ!」
「……では、手配します。」
中也は帽子を取って一礼し、その場を後にした。