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青 い 花 【文豪ストレイドッグス】

第13章 The strategy of conflict





『あ~、やっと終わった!』


溜めていた書類を書き終え、なまえが大きく伸びをすれば。


「お疲れ様!」


あまりに近くから聞こえた太宰の声に、なまえは驚き隣を見やる。其処には、なまえの隣に椅子を持ってきた太宰が座っていた。


『うわ、近っ!暑苦しいな、あっち行ってよ』

「え、厭だなあ、今更?ずっとここにいたよ、私。最近、如何にもなまえちゃんが足りなくて……」

『足りないって、私の何が足りないの?』

「勿論、愛が!」

『気持ち悪』

「うふふふ」



そんな二人のいつも通りのやり取りを、谷崎は隣でいつも通り苦笑しながら聞いていた。



「(僕とナオミも……周りから見たらこんな感じなのかな……)」

『早く書類を国ちゃんに出さなきゃ…って国ちゃんは?』

「国木田君と云えば先刻急いで出て行ったけど…何処にいったんだい?」


太宰は、あたかも当然のように後ろからなまえの首に両手を回しながら谷崎に問う。


「さ、さぁ?急いでいたので僕は何も声かけませンでしたけど…」

『そういえば賢治君も居ないよね?国ちゃんと一緒に行ったのかな。』



そんな折、事務所の電話が、プルルと鳴った。


「はい、もしもし―――」


谷崎が電話に出る。


「え!!?あ、はい…わかりました。…はい……すぐに向かいます。」


谷崎は焦った表情で、電話を切った。



『如何したの?』

「軍警の方からでした。西の公園で、複数の重症の怪我人が出たそうです……」


谷崎の言葉に、太宰となまえの表情は真剣になる。


『すぐに向かいましょう。』


なまえが、勢いよく立ち上がれば。

ゴッ!!と。
後ろからなまえに抱き着いていた太宰の顎に、なまえの頭が思い切り直撃した。


「あっ…」


谷崎の小さな声が、静かな部屋に響く。


『あ、ごめん。』

「いや、大丈夫だよ……君に殺されるのなら本望さ……」


赤くなっている顎を抑える太宰を筆頭に三人は、軍警から報告を受けた場所へと向かった。

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