第10章 「トライアングル・ボム」
酸素が薄くなってきた叫竜の中で、
ゴローは皆の救護を待っていた
俺の気持ちなんて、
伝わらなくてもいいと思っていた
一つだけ後悔があるとしたら…
「はぁ、…はぁ…起爆するには十分か。」
ゴローは手元のボタンを操作し、
非常事態の起爆スイッチを押そうとした。
「予備の燃料バックもある、最大のプレゼントになるな
伝えたかった…アイツに。」
ゴローがそういった瞬間、フランクス機内に
入る扉が突然輝き出したと思うとイチゴが中に入ってきた。
「イチゴッ!!」
「ここっ、…酸素薄い。」
「何で来たんだ!!」
「絶対に助けるって言ったじゃん…」
「俺は大丈夫だって言っただろ」
「ゴローは馬鹿だからさ…直ぐ一人で解決しようとするんだもん。
弱いくせに意地っ張りで、私やゼロが居ないと何も出来ないくせに」
「だからって、一人でこんな!!」
「違うよ、一人じゃ勝てなくても二人なら勝てる。
…昔ゼロがそう言ってたでしょ?」
お前達が俺の為に泣いてくれる…
それが分かっただけで、それが十分だと思ってた
さっきまでは、…でも今はこうして
幼馴染が俺にそう言ってくれて
比べられない位嬉しいんだ。
「ゴロー、早くここを出るよ!!
ゼロやヒロ達が待ってるんだから。」
「嗚呼行くぞ、イチゴ!!」
「了解!!」
デルフィニウムはコネクトを再開し、
叫竜の紛失口から脱出を成功した。
「出たっ!!」
「よっしゃあー!!」
「全機、一斉離脱!!」
「えっ…?」
「早く!!」
ゴローは他のフランクスにそう言うと、
叫竜の体内に置いた起爆装置が作動し大爆発を起こした。
「(良かった…、ゴローが無事で…)」
ゼロは、直ぐに皆が居るところに向かい
全員無事か確認しようと外に出た____________