第10章 「トライアングル・ボム」
夜になり、ゴローはゼロに渡そうとしていたプレゼントを見つめていると部屋にヒロが入ってきた。
「おっ、来た来た。」
「ん…?」
「意外だったよ、ゼロツーってお前の前だとあんな感じに笑うんだな」
「…何だよ、見てたのかよ。
ゼロツーはゼロの前でもあんな感じだし
それってゼロの…?」
「そう、ただこれは俺が渡そうとして渡せなかった物だよ」
「えっ…?」
「…なぁ、前に言ったよな?
お前達が言う好きっていう気持ち…分かんないって。
あれってさ、特別な存在だって事だよな?」
「特別かぁ…そうなるのかな。」
「ゼロにとってはさ、昔から俺達は家族で…
それって特別な事なのかって思ってさ。」
「何だよ、急に…家族だって特別だろ?」
「…多分、お前がゼロツーに抱いてる感情と
同じ感情なんじゃないかって思って。」
「同じ…?」
「知りたいとか、一緒に居たいとか…
そう__________キスってやつをしたいとか」
「えぇっ!?」
「何だよ、やっぱり気付いてなかったのかよ。」
「で…でも…あ、じゃあゴローだってゼロの事…」
ヒロはそう言うと、遮るかのように
ゴローは知っていると言った。
「アイツは、誰の物にもならないって事…
近付けたと思ったらいつの間にか遠く離れているんだ。」
「…ゴロー、何か今日変だぞ?」
「確かに変だよな…最近のお前を見ていてさ、この気持ちの訳がはっきりしたんだ。
俺はゼロの事、好きなんだって______________」
ゴローはそう言った後、
何事も無かったかの様に布団に篭った__________