第10章 「トライアングル・ボム」
皆がプレゼントを部屋に置いていく最中、
私はヒロとゼロツーが話している姿を階段から見ていた。
「ゼロ、何してるんだ?」
「シーッ…」
私はゴローに静かに、と合図をすると
2人の会話に耳を傾けた。
「何、これ?」
「何か俺達だけプレゼントを貰って…浮かれてただろ?
だから、ゼロツーにも何か無いかなって。」
ゼロツーはヒロから貰った手鏡に
映る自分をまじまじと見つめていた。
「ナオミって子が置いていってくれた物なんだけど、余計だったかな?」
「ううん…ありがとうダーリン!
誰かからプレゼントを貰うって、嬉しいんだね。
____________僕、大事にするよ!!」
そんな2人を見つめていると、
私もゼロツーに何か渡そうかな…と考えていた。
「ゼロ、前髪伸びたね…目悪くしちゃうよ?」
「そう…?
そう言えばもうすぐプレゼント貰えるけど、
3人は何をお願いしたの?」
「「…………。」」
「私はまたぬいぐるみをお願いしたよ!!」
「私もぬいぐるみにしようかなー…?」
小さい頃、4人で何を貰うかを話していた時
俺はゼロの為にパパに欲しい物を紙に書きプレゼントが来るのを待っていた。
そして数日、漸くプレゼントが届き
ゼロの元に向かうと色んな男子達がゼロにプレゼントを渡していて俺のプレゼントを渡す事が出来なかった。
「……あはは、ありがとう…」
苦笑いで色んなプレゼントを貰っていて、俺は皆よりも出遅れてしまい…何故か渡すのが恥ずかしくなってしまった。
「イチゴ、…それってヒロから?」
「うん!!ヒロから貰ったんだー」
イチゴとゼロが楽しそうに話していて、何で俺にはヒロみたいに渡せる勇気が無いんだろうと一人考えていたんだ______________