第9章 花火の後に…。
夕食後、私たちは花火を楽しんでいた。
『理事長先生!みんなで線香花火、勝負しよ!』
学峯『えぇ。構いませんよ。』
榊原『では、せーのでロウソクの火につけるよ!』
『せーの!』
チリチリチリ…。
………………。
みんな喋らない。
小山『ちっ!落ちちまった!』
瀬尾『俺もだ。荒木もか。』
榊原『あと残っているのは…。』
カルマ『浅野君、風呂場で変な妄想したでしょ?』
ピクッ…。
浅野君の線香花火の球が落ちた。
浅野『赤羽…きさま…!』
カルマ『あははは!図星だぁ!』
ポトッ…。
お兄ちゃんの球も落ちた。
学峯『まぁさん、あなたは罪な方ですね。いっそ私とお付き合いしてみますか?』
ポトッ……。
私の球も落ちた。
学峯『どんな小さな勝負でも、手を抜かず、相手を支配してこそ強者になれる。
では私はお先に…。』
私たちの目線を微塵も気にせず去っていく理事長先生。
浅野『まぁ、気にするな。まぁが望むなら僕が父を訴えてやる。』
『いや、おもっきりからかわれてるだけだから、訴えなくていいよ。』
カルマ『じゃ、二回戦しようよ!』
私たちは満点の星空の中、花火を楽しんだ。