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【黒子のバスケ】初恋

第2章 幼なじみ


周りにはいつものキャピキャピ女子達も居らず…。

そのまま黄瀬くんは近づいてくると。

「森山先輩と…同じクラスの七海チサトさんっスよね?」

「えっ!?そう…です。」

「…で、森山先輩はうちのクラスの女子に絡んで何やってるんスか?」

うちのを何故か強調しながら黄瀬くんが私の肩に掛かってる由くんの腕を外す。

ー私の名前覚えててくれたんだ。
でも何かいつもの黄瀬くんじゃないみたい…怒ってる?

「…あの私が日直で…由くん…あ、森山先輩とはたまたま会ったというか。」

ー森山先輩は近所のお兄ちゃんで昔から仲良くしてもらってて…その…癖みたいなのが抜けなくて呼び方とか…。

頬を赤く染めながら説明してる彼女は誰から見ても可愛いだろう。

「知ってるっスよ。森山先輩いっつも七海さんの自慢話ばっかしてるっスから!」

俺の妹はなー。可愛くて心配だー。とか

えっ?えっ?と慌ててさらに顔を赤くしている彼女をそのまま置いて行きたくなくて。

「七海さん。日直って何か資料持って来るんスよね?俺も手伝うっスよ。」

「…え?」
私が戸惑っていると

「つーわけで森山先輩失礼するっス。」

そう言って黄瀬くんは私の手首を掴んでそのまま行こうとする。

「あーハイハイ。じゃあ、チサトまたな…黄瀬は後で覚えとけよ!」

一瞬ポカンとしていた由くんは後ろ手にヒラヒラと右手を振りながら去っていく。

「…え、あの由くん?え、黄瀬くん?」

足の長さが違うため小走りになりながら腕を引かれたまま何とか付いていく。

息切れしている私に気づいたのか少し歩幅を緩めて

「急にゴメンね…強引に連れて来ちゃったっス」
なんて顔を覗き込みながら少し眉を下げて困ったような笑顔で言うもんだから…ダメなのに。

ほら…ズルいな黄瀬くんは…近づいたらもっと魅力的だってって気づいちゃったよ。
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