第3章 彼女
「涼太って呼んで欲しいっス。」
日直の時の一件があってから由くんに気を使ってか黄瀬くんはちょこちょこ話しかけてくれるようになった。
「…え?」
「森山先輩のことも名前だし、良いっスよね?チサトっち!」
何故か下の名前を呼ばせようとする黄瀬くんに戸惑っているとシュンとした顔になり何だか私の方が悪い事をしてるような気になる。
「…りょ…涼太…くん。」
顔から火を噴きそうになりながら呼ぶと
「呼び捨てで良いのに…今はこれで良いっスよ。」
ちょっと拗ねたみたいに顔を横に向けて少し頬を染めてる黄瀬くんを見てまたキュンとする。
どんどん好きが溢れてくる。