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あなたには敵わない【鬼灯の冷徹】※裏夢

第2章 酒は飲んでも呑まれるな


さっきから目線が気になる。

彼の方を見てみると、
案の定こちらを横目に見ていた。

「加々知君、どうしたの?」

「なんでもありません」

目線を逸らされたので、
覗き込むようにして彼の顔を見ると、
彼が何か言いたげにこちらを見た。

「どうしたのよ。
何?私の顔におつまみでもついてるの?」

ふざけて言ったのだが、
彼が案外真剣な顔をしたので、
慌てて頬に手をやり、確認した。

「いえ、そうではありません。
とても言い難いのですが、その制服、一回り大きいのを買ったんじゃないですか?」


確かに、みんなLを買っていたので、
見栄を張って私もLにしてもらった。

「なんでわかったの?」

「上から見ると下着が見えそうなんですよ」

彼はなんの躊躇いもなくそう言った。

衝撃、というかただただ唖然とした。

「もっと早く言ってよ!?」

今までずっとそうだったのかと思うと、
とてもいたたまれなくて
彼の顔が見れなくなった。

それどころか、今腕を掴んでいるこの現状自体がとても気まずい。

他の同僚だったらまだしも、
よりによって彼に指摘されてしまった。


「ほんとにごめん。見苦しかったでしょ」

まだ2、3年しか使っていないものなのに、新しいものを買わなければならなくなるとは。

そのお金で新しいコスメが欲しかったが、
こればかりは仕方が無いだろう。

「まぁ、悪くはなかったんですけどね」

「堂々と何言ってるの」

「おや、聞こえてましたか」

あれ、こんな人だっけ?

いつもの仏頂面は変わらずだが、
こんな冗談を言う人には見えなかったので、少なからず驚いた。

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