第5章 子ども化
リヴァイはをベッドに連れていくと、そっとその小さな身体を下ろしてやった。
「あ、ありがとうございます…っ」
少し頬を赤く染めて、が下を向く。
(これで、大人の姿だったら…)
リヴァイは思わずモヤモヤと想像してしまったが、すぐにその妄想をかき消した。想像してしまったら本当にマズイからだ。
「…もう夜も遅い。寝るぞ」
リヴァイは部屋の明かりを消すと、の隣に身体をもぐりこませた。ふと、月明かりに照らされたの顔を見れば、ガチガチに緊張している様子が見てとれた。
「…くくく」
思わずリヴァイは笑ってしまった。
「おい、なに緊張してやがる」
「えっ、き、緊張なんか…」
「してるだろ」
リヴァイは大きな手での小さな顔を挟み込むと、至極優しく、むにむにと頬を押した。
「…むー!」
の小さな手がリヴァイの腕を引き離そうとぐいぐい押すが、びくともしない。
「遊んでねぇで、さっさと寝ろ」
「な、今のは先輩が…」
リヴァイの手が離れていき、はがばっと身体を起こしたが、勢い余ってリヴァイの胸の上に倒れこんでしまった。
「「……!!!」」
二人は一瞬固まったが、ひと足早く動きを取り戻したリヴァイが、腕枕をするようにしての小さな身体を抱き寄せた。
「俺はもう寝る…」
「…~っ」
は顔を真っ赤に染めていた。ドキンドキン…と自分の心臓の音がうるさい。こんなに密着しているのだから、きっとリヴァイにも聞こえてしまう。
だが、自分のものとは違う振動が伝わってくることに、はふと気が付いた。リヴァイの胸の上に置いた手に、ドキドキと脈打つ早い鼓動が伝わってくる。
(先輩…?)
こっそりリヴァイの顔を見上げると、薄暗い中でも、リヴァイの耳が赤くなっているのが見えた。