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【進撃の巨人】先輩と後輩 ※番外編

第5章  子ども化


 一方自室に戻ったリヴァイは少しだけ読書をした後、布団に入った。うとうととまどろみ始めた時、控え目にドアをノックする音が聞こえたので、一気に目が冴えてしまった。
こんな時間に一体誰だ…と思った時、

「…リヴァイ先輩、起きてますか?」

 と、の申し訳なさそうな声がドアの向こう側から聞こえた。
 これで相手が男だったりしたら一気に不機嫌になるところだが、その声を聞いてリヴァイの機嫌は急上昇した。

「入れ」

 ベッドの上から答えてやるが、なかなか扉が開かない。
 一瞬怪訝に思ったものの、リヴァイはすぐに思い出した。今のの身長ではドアノブに手が届かないのだということを。
 慌てて扉を開けてやると、伸びあがってドアノブに手を伸ばしていたが、体勢を崩して倒れるところであった。その小さな身体を、リヴァイは軽々と抱き上げた。

「どうした」
「あ、あの…、夜分遅くにすみません…、…、あのっ、先輩、…そ、そのっ…」
「なんだ?」

 口ごもるその姿さえ可愛らしい。リヴァイは春の日だまりのような穏やかな表情で、の次の言葉を待ってやった。彼がここまで気長に待ってやるのは、が相手の時くらいかもしれない。

「…今日、一緒に寝させていただいても、いいですか?」
「っ???!!」

 持ってきた枕を抱きしめているの、コバルトブルーの大きな瞳と目が合った。
 誰がこの誘いを断れるというのだろうか。
 リヴァイは思わずデレデレに緩みそうになる顔面を必死に律して、努めて表情を出さずに答えた。

「…別に構わねぇが、ぺトラはどうした?」

 ぺトラの名誉のためは一瞬迷ったが、ここで嘘をついても仕方がないと思って、正直に言った。

「ぺトラの寝像が…」

 悪くて、とても一緒のベッドでは寝られない、と。

「……あぁ」

 やや拍子抜けしたリヴァイであったが、それでも、そこで自分を選んでくれた事が嬉しい。

「まぁ…いい」

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