第5章 子ども化
夕食も終わり、すでに夜も更けた。
「ぺトラ、と一緒に寝てやれ」
「はい」
いくらが子どもの姿になっているからといっても、一緒に寝る訳にはいかないので、リヴァイは非常に名残惜しく思いつつも、抱いていたをぺトラの腕に抱かせた。
ちなみにリヴァイは、を廊下で抱き起こした時から、(食事の時を除いて)片時もを手放さずに抱いている。
「おやすみなさい、兵長」
「…あぁ、おやすみ」
ぺトラに抱かれて遠ざかっていくを見送ってから、リヴァイは自室に入って行った。
ペトラの部屋に連れてこられたは、ピシッとシーツのかけられたベッドで横になった。その横にペトラが寝転がる。
「班長、ベッドが狭くて申し訳ありません」
「ううん、大丈夫だよ。ごめんね、面倒ばかりかけちゃって…」
「そんな、班長が悪いんじゃないですよ!気になさらないでください」
「ありがと、ペトラ」
にこっと二人は笑い合うと、部屋の明かりを消した。
真っ暗になった部屋の中、すぐに二人は静かな寝息を立て始めた。も今日は色々とあったせいで疲れており、すぐに深い眠りに落ちて行ったのだった。
だが、一時間もするころには、はすっかり目を覚ましていた。
「うーん…」
横で眠るぺトラが、ぶんっ、と腕を振り下ろしてくる。
「わっ」
あわやというところで、はそれを回避する。先程までが横になっていたところにペトラの腕がボスンと落ちた。
今初めて発覚したのだが、ぺトラは猛烈に寝像が悪かった。今のぺトラは、小さくなったにとっては巨人と同じであった。自分よりもはるかに大きな身体を、縦横無尽に振り回している。
「……」
これは…、ぺトラと一緒にベッドで眠る事は不可能であると判断せざるを得なかった。
は困った。
部屋にはソファなどはなく、身体を休められそうな家具はない。かといって、床に寝るのも嫌である。
「………」