第5章 子ども化
夕食時、皆がぞろぞろと食堂に集まってきた。
それぞれが席に着き、の席はリヴァイの隣にセッティングされた。だが…普通に椅子に座ると、テーブルの上におでこがやっと出るくらいしか、の座高が無かったのだ。
「……」
は愕然とし、皆は笑いがこみ上げるのを必死でこらえていた。テーブルからのぞく小さな頭が、えも言われぬ可愛らしさだったからだ。
だがからしたら笑い事ではない。これではテーブルに手が届かない。椅子の上に立ちあがって食べるしかないではないか。
「、こっちを向け」
ふいに上からリヴァイの声が降ってきて、の目の前にはスープのすくわれたスプーンが差し出された。
「…へ、兵長?」
「その高さじゃ届かねぇだろ。俺が食わせてやる」
「えぇっ!!でも…」
「いいから、さっさと食え」
ぐいぐいと差し出されてくるスプーンに、やむを得ずはパクッと口をつけた。
(………クソカワイイ)
ほわ~、と普段は絶対に見せないような表情をしているリヴァイの姿に、他のメンバーはあっけにとられていたが、突っ込むと削がれるという事が分かっているので、の可愛らしい姿を見守りつつ、無言で食事を進めた。
甲斐甲斐しくに食事を食べさせているリヴァイは、自分の食事はそっちのけであった。時折リヴァイは、の口の端についたスープをぬぐってやるなどして、班員達が驚く程の面倒見の良さであった。