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ただのパンダのお引っ越し

第1章 パンダ、拾いました



翌朝の私の衝撃を誰が理解してくれるだろうか。
早朝だというのに「ぎぇええええ!!!」とアパート中に響くような大声を出してしまった。

居るべきでないものが目の前におり、あるべきでないものが目の前にあったのだ。

「おはよう。おかげでよく眠れた。サンキュー」

寝室の床にあぐらをかき、爽やかな朝の挨拶を放ってきたのは、見たこともない男性だった。
しかもこともあろうに…。ああ、一体誰がこの時の私の衝撃を理解してくれるだろうか。

その男は…フルチンだったのである。

「だ、だ、だ誰ですか!どこから!い、いつ!ふ、ふ、不法侵入!」
「まあ、落ち着いて話を聞いてくれ」
「通報します!通報します!」
「落ち着けと言うのに。怪しい者じゃない。昨日助けてもらったパンダだ」

そう言うなりフルチン…いや、全裸の男性は立ち上がった。

反射的に私は身構えた。あの時ほどベッドサイドに包丁を置いておけばよかったと思ったことはない。
目を閉じ、抵抗の叫びを上げた。
「いやぁっ…!」

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