第7章 愛があればいいのさ
「桃浜がかわいすぎて、気持ちよすぎて。オレは今後もきっと我慢できない」
「そんなこと言うけどさあ」
キミは私以外の女を知らないんだから。
私よりいい女見つけたら、そっちにいっちゃうんでしょ。
意地悪ついでにそんなことを言ってやると、伊豆くんはタックルみたいに私の腹に飛び込んできた。
「ぐえっ」
「桃浜でないとイヤだ!」
こいつ、たまに力加減考えないよなあ。
頭を殴ってやろうかと思ったけど、ヤダヤダと私にすりついてくる姿がやたらと可愛かったから、許してやることにした。
なんかなあ、最近、パンダじゃない時もかわいいと思えてしまう。
「伊豆くん、パンダの時も、私とセックスしたいの?」
「ああ」
「なんで?」
「桃浜が好きだから」
「伊豆くんは、我慢ができない悪い子だね」
「桃浜はオレが悪い子だと嫌いになるか?」
彼のバカ正直なまっ直ぐさに、思わずクスッと笑いが漏れる。
頭をさらりと撫でてやると、嬉しそうに目を細めた。
「悪い子の伊豆くんは、仕方ないから、私がずぅっと面倒みてあげる」
それだけ言って、彼の頭を撫で続けた。
愛のあるセックスの前には、人間とかパンダとか、きっとどうでもいいことなのだ。