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ただのパンダのお引っ越し

第5章 エプロンは浮気の合図



「じゃーん!どう!?」

私はスーパーで買ってきたエプロンを、パンダ姿になっている伊豆くんの鼻の前でバサッと広げた。
エプロンには可愛いパンダのイラストがどどんと描かれている。

動物は前から好きだったから、私の家には動物モチーフの小物が多い。特別パンダが好きという訳ではなかったのだけれど、最近はやはりパンダグッズに目が行ってしまう。

「ねえねえ、どう思う?」

伊豆くんの前でエプロンをヒラヒラさせると、彼はゴッフゴッフと威嚇するような鳴き声を上げた。右手を振ってエプロンをバサバサ引っ掻く。

「ちょっと!何するのやめてよ!」

私が叱ると、伊豆くんはプイと顔を背けて、のそのそと寝室に歩いて行ってしまった。
なんだ、あの畜生(ここで言う畜生はケダモノのことである)。



…ふと、考える。
嫉妬したのでは?
私が彼以外のパンダに関心を向けたことについて?

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