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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第1章 ※それは月夜の酔いのせい?





美咲の肩を下ろし、一旦便所に行き、勢いよく出た水で顔を洗う。



「何考えちまってんだ、俺は……」



そもそも、俺にはミカサと言う好意を寄せる女がいる訳で、美咲なんか……ただの同期に過ぎない。



深く深呼吸をし、頬を叩いた後。

便所を後にしてテーブルに戻ると、美咲の隣に腰を下ろしたリヴァイ兵長と、ガチガチに緊張しながら顔を真っ赤にして話す彼女の姿。



クソみたいにどうでもいい会話に、嬉しそうにしていて。



趣味を聞き合うって、見合いかよ。

ガキの頃に読んだ童話がどうだったとか、マジでどうでもいいだろ。

あー。
なんか、あの敬語にもムカつくな。



なんて思って、フと。

リヴァイ兵長が持っているグラスが目に止まった。



二人の間に、グラスは1つしかない。



……それ、美咲のやつ、じゃねぇよな?



リヴァイ兵長が一口、グラスの中身を飲む度に、更に赤色に染まる美咲の顔。



それが、さっき初めて見た美咲の上気する頬と重なって。








………………ソレは、俺のだろ?




ぶちん。と、乱暴に糸を切ったような音が、頭の中で聞こえた気がした。



それは、美咲と俺との間に繋がっていた、同期としての一線。

男女どうこう関係ない、曖昧な線。

それが、もう二度と結び直せないんじゃねぇかと思う程ズタズタに、千切れた。



代わりに、彼女へと伸びて行ったのは、……強い嫉妬と衝動を帯びた、淡い色。



同じ104期で入団してから、一度だって感じたことがない気持ちだった。



自分でも、どうしてこんな気持ちになるのかさっぱり分からねぇ。



ただ、美咲の隣で静かにグラスを持つ兵長と、火照った顔の彼女を見ていたら、胸の奥にチリチリとした焼け付くような苛立ちを感じたのは、事実だった。


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