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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第1章 ※それは月夜の酔いのせい?






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「呑み直そうぜ!」

「へ?アンタ、どこからそのお酒?」

「さっきの店主がお詫びに、だとさ。」



そう言って人差し指を口元に添える俺に、美咲は笑って承諾した。

足元はフラついているが、信じられないくらいご機嫌だ。



「リヴァイ兵長と話せちゃったぁ〜」

「知ってる。」

「もーね!すっごいドキドキしたぁ!」

「……へぇ。そうかよ。」



そうは言いながらも表情は明るい。

俺はこの苛立ちの正体を見て見ぬフリをしながら「どこに行くか?」と聞いた。



「ん〜どうしよっかなぁ。」

「どこかゆっくり出来るところがいいな。」

「そだねぇ。さっき凄く緊張したし。」



上機嫌で笑う美咲は俺の事を見ちゃいねぇ。

一緒にいるのが俺だと言う事は分かっちゃいるはずだが、さっきまでの兵長との時間が余程嬉しかったのだろう。

ずっとその気分を引き摺っているように見えた。



ざわざわ、騒ぐ胸が、この感情に名前を付けようと忍び寄る。

俺はワザと彼女に意地が悪い笑みを浮かべた。



「男子寮にするか?」

「えー?」

「酒、美味かったんだろ?」

「でも……男子の巣窟はキケンー!」



アハハ、と笑う美咲は酒が弱いようで、さっきの量で完全に出来上がっている。

少し押せばいけるかも知んねぇ。



邪な考えが頭の中を覆う。



俺は自然と、酔いが足にきている彼女の肩を、ソッと引き寄せた。

俺とは違う柔らかな感触。



あぁ、こいつも女なんだな。

なんて、分かりきった事を考えながら、その手に力を込めた。



すると、不思議そうな顔をして首を傾ける美咲と目が合う。



「なぁに?ジャン、どうしたの〜?」

「お前がフラフラしてっから助けてやってんだろうが。」

「そっかぁ。優しい!」




フフフ。と微笑む彼女は、きっと、正常な判断が出来ていない。

訓練中、肩は貸したことはあっても、肩を抱いた事はない。



つーか、俺は何がしてぇんだ?
美咲とどうこうなりてぇのか?



それは自分でもよく分からなかった。

ただ、隣にある体温が恐ろしく心地良かった。



それだけで十分だった、

はずなのに……



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