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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第11章 距離が縮まるアイツとあの人






「あーもう!疲れたー!」



中央憲兵が隠していた資料は、どれも見た事がないような事実ばかりで、ただでさえ分からない事だらけの私を精神的に追い詰めて。

叫び出したくなる衝動を呼び寄せる。

自分で思っていた以上に、ストレスが溜まっていたようだ。



パンを含みながら、もぐもぐと口を動かす私の背中を、ジャンは優しく撫でて、空になってしまったグラスにお水を注いでくれる。



「ほら、水。まぁ飲めよ。」

「飲むよ!」



パンのせいでパサついた口の中。
私はそう言って、ぐっとお水を流し込んだ。



ジャンは、オムレツ以外にも、3つもパンを持って来ていて。

さすがに食べきれるとは考えていないだろうけど。



千切って、食べて。
また千切って、食べて。

その度に減っていくグラスに、またジャンがお水を注いでくれる。



「その元気がありゃ大丈夫だよ、お前は。」



そう言って、優しい手付きで頭を撫でられて。

髪越しに伝わる手の温もりは、なんだか安心する。



どうしてだろう。今日のジャンはいつもと違う。



労ってくれる声も。

優しく触れる手も。

包み込むような空気も。



全部、私が今、一番必要なものだと思えてくる。



相手はジャンなのに。

私を災難に導く、“暴君”なのに。



なのに、今日、この時間は。

ジャンが側にいてくれる事で、私は救われている。



……それにしても。



「……ねぇ。」

「ん?」

「何で……今日、来てくれたの?」



最初から、気になっている事だった。



こんな風に突然来るなんて、今まで一度もなかった。

女子寮と男子寮は、遠くはないけど離れてるし。

それ以上に、私が弱っているところを見透かされているかのような行動に、胸がざわついたのだ。



先に部屋に戻ったと思ったのに、わざわざ来てくれて。

御飯も作って来てくれて。

愚痴にまで付き合ってくれて。



ジャンだって壁外に出て疲れてるだろうに、どうしてそこまでしてくれたのか、疑問だった。



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