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霧は黒を覆えない~JAPAN →HL ~

第2章 始動


「捜査担当は丸山と角田のコンビ。そこに情報、科学捜査担当の後呂が援助する形をとる。この三人は基本的に日本に残り、捜査をしてもらうことになる」

自分の得意分野を生かせる、良い担当になったことに喜びを隠せない後呂にうって変わって、丸山と角田の二人はというと、お互いを横目で見て、嫌な予測が当たってしまったと自分達の勘の良さを嘆いていた。

いい大人であるから、子どものように文句を言うようなことはしない。


「次に情報担当の服部と知念がコンビだ。後呂も情報担当だが、この二人は主に外部の人間から直接情報を入手してもらうことになるだろう。そういう役回りだ。」

知念は薄々こうなることを予測はしていたがそれでも最後まで、事件を主に捜査する警察官になること、あの問題児で腐れ縁の服部と少しでも離れることを諦めてはいなかった。

だからだろうか。
なおのこと、服部に対する怒りが込み上げてくる。


一方その問題児はというと、知念とコンビを組むことを聞いたや否や、知念の気持ちも知らずに「また一緒みたいだね。宜しく」と微笑んで握手を求めてきたので、知念は同じく「宜しく」と微笑んで言い、そして思いっきり力を込めて服部の手を握ってやった。
 
服部は女とは思えない声を出して叫んだ。



結局、何人かは、発表された自分達の担当について、なにかしら思うことはあったが、誰一人として異議を唱えるものはいなかった。

「担当も発表したことだし、それぞれ親睦を深めたいところだと思うけど残念なことに、ゆくっりしていられる時間は私達には無い。早急にある事件の捜査を始めなければならない。ということで丸山君、今回の事件の説明を頼めるか?」

いきなり係長に指名され、多少驚いた丸山だったが直ぐに指名された理由を理解すると「分かりました」と爽やかに応え、係長から渡された、その事件の詳細が載った書類を手に取り、説明を始めた。
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